About 櫻の園2

原作:吉田 秋生(白泉社刊)
女子高校の演劇部に所属する生徒たちの心模様を描く。全4章から成り、各章のタイトルは「花冷え」「花紅」「花酔い」「花嵐」と桜の季語となっている。

毎年春の創立記念日にチェーホフの『桜の園』を演じるのが伝統になっている女子校・桜華学園で、演劇部に所属する少女たちの葛藤を通じて、少女たちの人間関係と心理を描いた。

 

90年版映画櫻の園

1990年11月3日公開。

監督中原俊
脚本じんのひろあき

 ある女子高校の演劇部の、上演直前の舞台裏の騒動を中心に、それに翻弄される少女達の複雑な感情を切なく描いた。20人以上の部員を全員オーディションで選出し、極々普通の少女達の群像をリアルに描いた。

「少女達の友情」という、あまり注目されなかった題材を派手さを抑えて繊細に静かに描ききったことで、クオリティの高い作品として第64回(1990年度)キネマ旬報ベスト・ワン受賞をはじめ各方面で高い評価を受け、同時に興行的にも成功して当時の話題となった。

 

受賞歴
映画『櫻の園』 受賞一覧

◆山路ふみ子賞・映画賞
◆報知映画賞・最優秀作品賞
◆毎日映画コンクール・優秀作品賞・助演女優賞/つみきみほ
◆ヨコハマ映画祭・ベストテン1位・作品賞・監督賞・脚本賞・最優秀新人賞/中島ひろ子
◆ゴールデンアロー賞・映画賞
◆キネマ旬報・ベストワン・監督賞・脚本賞
◆日本アカデミー賞・優秀作品賞・優秀監督賞・優秀脚本賞・最優秀編集賞・新人俳優賞/中島ひろ子
◆高崎映画祭・最優秀作品賞・監督賞・新人賞/中島ひろ子

http://cinemaga.nihon-eiga.com/talks/vol-001/

 

 

そして…櫻の園2

 

映画『櫻の園』を脚本家の私、じんのひろあきが演劇としてセルフリメイク。
 リアルタイムで進行する、学校の中からキャメラが出ない、と演劇的に展開させた映画版に対し、今回は一年の物語とし、場面も時間軸も自由な映画の手法を演劇に持ち込みます。
チェーホフの『櫻の園』を創立記念日に上演している演劇部は、それ以外の時間をどのように過ごしているのか? 
二幕一時間五十分途中休憩あり。

●『桜の園2』 とは?

  90年に公開された映画『桜の園』で脚本書いた、じんのひろあきが、25年経った今、演劇としてリメイクするものです。

●池袋芸術劇場や青山円形劇場で上演された映画『桜の園』を元にした演劇とは違うのですか?

 あれは映画版をもとにそのまま演劇に移し替えたもので、今回は演劇として作り変えます。

●演劇として作り変えるというのは、具体的にどういうことですか?

 90年版の映画は、映画の中に演劇持ち込みました。
 部室という演劇的なセット、全体を2時間のリアルタイムで描くなどです。
 今回は、演劇に映画を持ち込みます。

●演劇に映画持ち込む?

 今回の物語は、90年版の映画『桜の園』の物語が始まる1年前からスタートします。映画は2時間の話でしたが、今回の演劇『櫻の園2』は1年にわたる物語となります。

● なぜ1年の物語なのですか?

 彼女たちの演劇部は創立記念式典にチェーホフの『桜の園』を上演しますが、そのためだけに演劇部があるわけではないはずです。

 では、彼女たちは桜の園上園してる以外の時間をどう過ごしているんだろうか?

 これが今回の『桜の園2』のコンセプトです。

 『桜の園』を毎年春に上演する演劇部だって、それ以外の時間は普通の演劇部として活動をしているはずです。

●普通の演劇とはなんですか?
 おそらく彼女達もまた今、小劇場で上演されている数々の演劇のどれかを上演するわけです。(高校によっては創作する学校もありますが)
 では、今年は夏に何をやろうか?
 ということが第一幕の物語となります。

●第一幕と言うと、全体は何幕かで構成されているのですか?
 
 そうです、今回は二幕物です。
 どんなふうに演劇として立体化するか、ということを考えた結果、今回は二幕物にしようと。
 小劇場は普通、暗転はあっても、幕が降りると言う事はありません。今回はどうしても、緞帳を上げ、緞帳下ろすということをしなければならなくなりました。
 そして一幕と二幕の間は、10分の休憩を挟むことにしました。
 
 しかし、今回の劇場ザムザ阿佐ヶ谷には、緞帳がありません。そこで我々はは緞帳を作ることにしました。

 

●どうしてわざわざ緞帳まで作るのですか?

 緞帳を作ってまで、下ろさなければならない演劇になってしまったとしか言いようがありません*\(^o^)/*
 緞帳の意味ってなんだと思いますか?
 なぜ、芝居は一幕、二幕、一場、二場、と数えるのでしょうか?
 それについてはずいぶん考えました。
 今回の『櫻の園2』はそれに対しての私の一つの答えでもあります。

●映画『桜の園』とは全く別のものになると言うことですか?

 あの映画『桜の園』で描かれた事件はもちろんおきます。そして、あの事件についてあの映画で描かれていない裏の部分も描かれます。
 喫煙事件を起こした杉山が、補導された警察で起こした行動。
 また、どうして一度職員会議で中断が決定された『櫻の園』が、突然、上演してもいいことになったのか?
 といったことの謎が解かれます。

● 90年版の映画を見ていないとわかりづらい内容ですか?

 見ていなくても問題ありません。見ていれば倍とは言いませんが、1.5倍位楽しめます。

●キャストはどのように集めたのですか?

 じんのが昨年からずっと審査員を務めている短編演劇祭、東京劇王、神奈川劇王を、神奈川かもめ短編演劇祭などで上演された団体を見て、これは! と思う女の子達に声をかけてまわりました。二十代前半が大半を占めますが、各々の劇団ではもちろん、主役を常にやっている女優達です。

●他の作品でいうと、どういったものが近い印象でしょうか?

 演劇であるなら『ナショナル・シアター・ライヴ 2016 「夜中に犬に起こった奇妙な事件」』
 映画であるなら『マッドマックス 怒りのデスロード』です。